会社紹介動画を制作したものの、「本当に役立っているのか分からない」と感じていませんか。再生回数だけを見ても、商談や採用にどれほど役立っているかは判断しきれません。
店頭で商品説明をするスタッフを思い浮かべてください。何人に話したかだけでなく、説明を理解してもらえたか、その後に相談してもらえたかも大切です。会社紹介動画も同じ考え方で確認できます。
この記事では、「見られたか」「伝わったか」「次に進んだか」を分けて、少人数でも毎月確認できる方法を紹介します。
まず動画に任せたい仕事を一つ決める

動画の役割が曖昧なままでは、よい結果かどうか判断できません。会社を初めて知る人向けなのか、問い合わせ前の不安を減らすためなのか。目的によって確認すべき点が変わります。
- 初めてサイトを訪れた人向け:会社の特徴が伝わり、サービス説明へ進めるか。
- 問い合わせ前の人向け:不安が減り、相談方法を理解してもらえるか。
- 商談前の人向け:基本情報が伝わり、商談で具体的な質問が出るか。
- 採用候補者向け:仕事や職場への理解が深まるか。
例えば、商談前に送る動画なら、再生数が少なくても説明の手間を減らせている可能性があります。反対に幅広く見られていても、見込み客に必要な内容が届いていないかもしれません。
これは目的ごとの評価例です。最初は一つの利用場面に絞ることをおすすめします。全用途を一度に測る必要はありません。
判断に迷ったら、「この動画を見た人に、見終わったあと何をしてほしいか」を一文にします。例えば「サービスを理解して事例ページを読む」「商談前に基本情報を知る」といった形です。この一文が決まれば、再生回数以外に確認したいことも絞りやすくなります。
YouTubeと自社サイトでは見られる数字が違う

YouTubeで見るなら視聴者維持率を確認する
動画をYouTubeに掲載している場合、「YouTube Studio」で再生状況を確認できます。特に役立つのが視聴者維持率です。これは、動画のどの部分まで見られたかを知るための情報です。
例えば、冒頭の長い会社沿革のところで見る人が減るなら、お客様が知りたいサービス説明を先に置く余地があるかもしれません。ただし、グラフが下がる理由は途中で視聴をやめた場合だけでなく、先へ飛ばした場合もあります。繰り返し視聴された場面も、好評だったのか理解しにくかったのか、数字だけでは断定できません。
公式の説明はYouTubeの視聴者維持率ヘルプおよびパソコン向け詳細ガイドで確認できます。
自社サイトに埋め込んだ動画は別に確認する
ホームページ内に動画を置いているなら、「GA4(Googleアナリティクス)」というアクセス測定ツールで一部の再生操作を記録できる場合があります。対応するYouTube埋め込みで設定条件を満たすと、再生開始、10%・25%・50%・75%までの到達、再生終了を記録できます。
管理上の名前は、再生開始が「video_start」、途中までの視聴が「video_progress」、終了が「video_complete」です。すべての動画サービスや埋め込み方法が自動で対象になるわけではありません。条件はGoogleの動画計測に関する説明を確認してください。
すでにGA4を使っている場合も、数字が出るものと決めつけず、自社サイトで再生して記録されるか確かめます。設定や同意管理の影響で、思ったとおりに数えられていない場合もあります。動画を制作した会社やサイトの管理担当者に「この埋め込みで再生を測れますか」と確認すると、話が具体的になります。
毎月の確認は接触・理解・行動の3段階で十分
数字を大量に並べても、次に何をすればよいか分からなくなります。月ごとの記録は3段階に分けると整理しやすくなります。
- 接触:掲載ページは見られたか。動画は再生されたか。
- 理解:どれくらいの時間見られたか。重要な説明まで届いたか。
- 行動:サービスページや相談先へ進んだか。実際に問い合わせが届いたか。
これは店舗でいえば、入店、商品説明、購入相談の流れです。例えば「ページは見られているが動画が再生されない」なら、まず動画の位置や見せ方を点検できます。「最後まで見られているのに問い合わせがない」なら、相談方法の説明が足りない可能性を考えます。
ただし、ページ閲覧と動画再生の件数は、同じ人数を表すとは限りません。同じ人が何度も見た場合もあります。数字の意味や集計単位をそろえて比較することが大切です。
数字の組み合わせから直す場所を探す

ページは見られているのに動画が再生されない
動画がページの下の方に埋もれていないか。表紙となる画像や見出しで内容が伝わるか。長さが分かりにくくないかを確認します。ただし文章だけで用件が済んでいる人もいるため、再生率の向上自体を目的にしないようにしましょう。
開始直後に見る人が減る
挨拶や沿革が長く、必要な説明が後半に回っていないでしょうか。動画の冒頭とタイトル・表紙画像が一致しているかも点検します。YouTubeもこうした期待との一致を確認する考え方を案内しています。詳しくは公式の改善案内を参照してください。
最後まで見られるのに相談がない
たとえば製造業の会社紹介で、高度な設備は伝わっていても、どの加工相談を受けるのか書いていない場合、お客様は連絡をためらうかもしれません。これは架空の診断例です。対応範囲、料金の考え方、次の手順を動画や掲載ページで補う余地があります。
動画の数字が問題を教えてくれても、原因まで確定するわけではありません。 現場で受けた質問や営業担当者の感覚と照らし合わせて考えましょう。
1枚の記録表で翌月の改善につなげる

立派な分析資料は必要ありません。最初は一つの表に、動画名、掲載場所、目的、集計期間、再生状況、問い合わせなどの次の行動、今月の変更、来月確かめたいことを記録します。
例えば、今月は動画の説明文に相談方法を追加し、翌月に問い合わせ内容を確認する、といった進め方です。動画自体をすぐに作り直す必要がない場合もあります。できれば変更は一度に増やしすぎないようにします。
表には「変更する前の状態」も残しておきましょう。後から「どこがよくなったのか」と聞かれたとき、記憶だけに頼らず説明できます。毎月同じ時期に同じ項目を記録すれば、担当者が交代しても確認を続けやすくなります。
なお、長さが違う動画や掲載場所が違う動画を、再生割合だけで横並びに評価しないでください。また「動画を見た後に問い合わせた」ことと、「動画が原因で問い合わせた」ことは別です。無理に成果を断定せず、分かる範囲で記録します。
まとめ|動画の評価は次の一手を決めるため
会社紹介動画の効果測定は、再生回数の多さを競う作業ではありません。動画の目的に合わせて「接触」「理解」「行動」を見れば、どこを改善するか考えやすくなります。
まずは一つの動画だけ選んで、目的と掲載場所を記録しましょう。毎月の数字と実際の相談内容を一緒に見れば、次に直すべき説明や案内が見えてきます。