「AIが答えてくれるなら、ホームページはもう見てもらえないの?」
「検索で上位に出すために、今まで取り組んできたことは無駄になるの?」
AIを使って調べる人が増えると、こんな不安も出てきます。
本業で忙しいなか、新しい専門用語や仕組みまで覚えるのは大変です。何から手をつければよいのか、迷ってしまう方もいるでしょう。
まず知っておきたいのは、AI検索が広がっても、ホームページの情報を整える取り組みは引き続き大切だということです。ただし、検索結果の順位だけでは、お客様にどれだけ知られているかを判断しにくくなっています。
これまでは、人通りの多い大通りに看板を出すことが大切でした。これからは、それに加えて「案内係のAIが、自分のお店をどう紹介しているか」も確認する必要があります。
この記事では、2026年9月30日付のリサーチ資料をもとに、AI検索時代の集客を整理します。専門的な作業をすべて自分で行う必要はありません。まず確認することと、制作会社などに相談することを分けて見ていきましょう。
AIが普及しても、検索からの集客はなくなっていません
SEOとは、Googleなどで検索した人に、自社のホームページを見つけてもらいやすくする取り組みです。実店舗でいえば、人通りの多い場所に、内容のわかる看板を出すことに近いと考えてください。
AIの利用が増えたからといって、その看板が急に不要になるわけではありません。AIで候補を知ったあと、Googleで詳しく調べる人もいます。
AIとGoogleを、両方使っている人がいます
Similarwebのデータを紹介した記事では、ChatGPTの利用者のうち、Googleも利用する人は95%でした。2025年9月から2026年5月まで、この割合は変わっていません。その間、生成AIサービスへの訪問は前年比で70%増えていました。
これは、AIの利用が増えても、Googleを併用する人が多いことを示しています。ただし、検索する回数まで変わらないという意味ではありません。ChatGPTとGoogleの併用状況を紹介した記事で、調査の内容を確認できます。
Semrushも、米国のパソコン利用に関する2,600億行の行動データを分析しています。この調査では、ChatGPTを使い始めたあとも、Google検索の利用回数に、統計的にはっきりした変化は見られませんでした。詳しくは、ChatGPT利用開始後のGoogle利用を調べたSemrushの分析をご覧ください。
日本でも、グランネットの調査では、Google検索を毎日からほぼ毎日使う人が48.6%でした。前年から大きな変化はなく、AIの要約を見た人の約9割は、それだけで調べものを終えていません。日本の検索利用とAIによる比較検討を調べたグランネットの調査が参考になります。
アウンコンサルティングの5か国調査でも、日本では「AIの要約を読まず、その下にある通常の検索結果からサイトへ行く」が36.7%で最多でした。この割合は、調査した5か国のなかで最も高い結果です。出典は、日本のAI要約と検索結果の利用状況を紹介した記事です。
ただし、上位に出ても訪問されにくくなる場面があります
一方で、変化が起きていることも見逃せません。Googleの検索結果に答えの要約が表示されると、ホームページを開かずに用事が済む場合があります。
たとえば、お客様が「この汚れの落とし方」を調べたとします。検索画面で手順がわかれば、詳しい記事を読まずに終えるかもしれません。これは、サービスの依頼先を探す検索とは、目的が違います。
Ahrefsの2026年6月の分析では、AIの要約が出る情報収集向けの検索で、日本の検索1位のクリック率は予測値より62.7%低くなっていました。米国では68.8%低い結果です。日本の低下幅は、半年で38%から62.7%へ広がっています。
クリック率とは、検索結果を見た人のうち、実際にリンクを押した人の割合です。この調査は特定の検索条件を対象にしたもので、すべての会社の訪問数が同じ割合で減るという意味ではありません。AIの要約とクリック率の関係を調べたAhrefsの分析に詳しい説明があります。
日本の数値を紹介した記事では、予測されたクリック率24.1%に対し、実際のクリック率は9.0%でした。出典は、日本の検索1位のクリック率低下を紹介した記事です。
また、ChatGPT検索が使えるようになった世帯を調べた研究では、従来の検索が週3.14回、約9.4%減少しました。20週後には17.0%の減少が見られ、学術情報や辞書のサイトへの影響が大きかったと報告されています。先ほどの検索利用の変化を紹介した記事では、この研究も取り上げられています。
これからは、順位と「知られ方」を一緒に見ます
サイバーエージェントの調査では、日本で検索手段として生成AIを使う人は、2025年5月の21.3%から、同年10月には31.1%、2026年2月には37.0%へ増えました。検索時の利用率はChatGPTが29.1%、GoogleのAIモードが21.0%、Geminiが15.6%です。10代のAIモード利用率は33.5%でした。
これらの利用率は、サービスごとの数値です。詳しくは、日本の生成AI検索の利用実態を調べたサイバーエージェントの調査をご覧ください。
海外では、Similarwebのデータを紹介した2026年7月の記事で、米国のGoogle検索の43%にAIの要約が表示されたと報告されています。1年前は15%でした。出典は、米国でのAI要約の表示割合を紹介した記事です。
また、2026年9月のOpenAI DevDayを紹介した記事では、ChatGPTの週間利用者は12億人と報じられています。これは世界全体の規模であり、自社のお客様の利用状況とは分けて考える必要があります。出典は、OpenAI DevDayの発表内容を紹介した記事です。
Google自身は、2026年第2四半期の決算に関する発表で、AI機能が検索を増やし、毎週数十億回のクリックをサイトに送っていると説明しています。ただし、利用者ごとの詳しいデータや、AIモードの検索回数の数え方は公開されていないという指摘もあります。Googleによる2026年第2四半期の発表は、Google自身の説明として読みましょう。
大切なのは、検索順位だけでなく、AIの回答で自社がどう紹介されるかも見ることです。SEOの専門家Aleyda Solis氏も、2026年の目標を「順位よりも認知」と表現しています。AI検索時代の認知について述べたAleyda Solis氏の投稿で、その考え方を確認できます。
AI検索対策は、ホームページと周囲の評判を整えることです
AI検索対策は、GEOやAEO、LLMOなどと呼ばれることがあります。名前が違っても、この記事では「AIの回答で、自社や商品が適切に紹介されるための取り組み」と考えてください。
AIは、回答をつくるときに、検索で見つけた情報を参照することがあります。これを専門用語で「グラウンディング」と呼びますが、ここでは「資料を確かめながら答えること」と理解すれば十分です。
Googleも、検索内の生成AI機能は、従来の検索の順位づけや品質評価の仕組みに根ざしていると説明しています。基本的なSEOは引き続き重要です。詳しくは、Googleが説明するAI検索向けのサイト改善ガイドをご覧ください。
公式サイトはお店の説明書、外部の情報は周囲の評判です
お店を選ぶとき、店主の説明だけで決めるとは限りません。料金表を見たうえで、口コミや紹介記事も確認するでしょう。AI検索でも、自社サイトと外部サイトの両方が情報源になります。
Aleyda Solis氏は、オンラインで使う業務ソフト、ネット通販、金融の計15ブランドを調べました。対象はGoogleのAIモード、Gemini、ChatGPTで、各回答の引用上位10サイトを分析しています。
- オンラインで使う業務ソフト:自社サイト17.7%、外部サイト82.3%
- ネット通販:自社サイト30.4%、外部サイト69.6%
- 金融:自社サイト20.6%、外部サイト79.4%
この調査の範囲では、外部サイトの引用が約7〜8割を占めました。すべての業種や会社に、そのまま当てはまる割合ではありません。調査の詳細は、AIが引用する自社サイトと外部サイトを分析したAleyda Solis氏の記事に掲載されています。
同氏は、自社サイトを「正しい事実を示す土台」と位置づけています。商品内容、料金、利用条件などを公式サイトで明確にし、外部の記事やレビューが比較や実演を補うという考え方です。
自社の説明を整えることと、第三者に紹介されることの両方が大切です。公式の料金が曖昧なまま口コミだけ増やしても、正しく比較してもらうための情報が足りません。
専門家も、従来のSEOとのつながりを重視しています
Aleyda Solis氏は、自身の番組「Crawling Mondays」で、2026年7月からAI検索の取り組みを解説するシリーズを配信しています。第1回はLily Ray氏、Roxana Stingu氏、Chris Green氏と、用語の意味や目標設定、従来のSEOとの関係を扱った42分の回です。
第1回は、AI検索対策の基本を扱ったCrawling Mondaysの番組で確認できます。7月22日の第2回では、お客様の調べ方と、AIに入力する質問の調査を扱っています。Crawling Mondaysの番組一覧も参考になります。
Roxana Stingu氏も、AI検索では、情報が見つけられ、読み取られ、登録され、理解されて初めて表示されると説明しています。出典は、AI検索と情報の読み取りについて述べたRoxana Stingu氏の投稿です。

ステップ1 AIが自社をどう紹介しているか確認しましょう
最初にすることは、大がかりな改修ではありません。お客様が聞きそうな質問をAIに入力し、自社がどう紹介されるかを確認することです。
実店舗でいえば、近所の案内所に「この条件に合うお店はどこですか」と聞いてみるようなものです。自分のお店が紹介されるのか、説明は正しいのかを確かめます。
店名を出さない質問と、店名を出す質問を用意します
AIに入力する質問を「プロンプト」と呼びます。質問をまとめた一覧は「プロンプトライブラリ」と呼ばれますが、難しく考えず、お客様の質問集としてつくりましょう。
- 自社名を出さない質問:候補として見つけてもらえるかを確認する
- 自社名を出す質問:自社の料金や特徴が正しく伝わるかを確認する
- 競合との比較を求める質問:違いや選ぶ理由がどう説明されるかを確認する
たとえば、資料では「大阪で中小企業向けの動画制作会社を比較したい。費用相場も教えて」という質問が挙げられています。さらに「予算50万円以内」「企業向けの動画」など、お客様の条件も加えます。
質問は、購入直前だけに絞りません。悩みの解決、候補の発見、評価、比較、別の選択肢、候補の絞り込み、最終確認、購入、購入後まで、必要な場面を考えます。
まずは、商売に関係する30〜50の質問を目安にします
Aleyda Solis氏は、事業上重要な質問30〜50本から始めることを提案しています。調べるなかで大切な抜けが見つかったら、質問を増やします。
事業の規模による目安も示されています。すべてを一度に用意するという意味ではなく、扱う商品やお客様の種類に応じた参考値です。
- 一つの商品・一つの市場:30〜60本
- 複数の商品:60〜150本
- 複数のお客様のタイプを持つ業務ソフトやサービス:100〜250本
- 複数の商品分野を扱うネット通販:150〜500本
- 海外展開:優先する市場ごとに30〜100本
質問集の考え方と規模の目安は、Aleyda Solis氏によるAI検索の質問集のつくり方で確認できます。
一度の回答だけで判断しないことが大切です
AIは、同じ質問でも回答が変わることがあります。一度紹介されなかったからといって、「自社はまったく見つけてもらえない」と決めつける必要はありません。
同氏は、重要な質問を3〜5回試し、「5回中4回紹介された」のように頻度で記録する方法を勧めています。24〜72時間の決めた期間内に、ログアウトし、会話履歴の影響を受けない状態で確認するという方法です。
GoogleのAIによる概要、AIモード、ChatGPT、Perplexity、Gemini、Copilot、Claudeは、それぞれ分けて記録します。違う案内所の紹介結果を、ひとまとめにしないためです。
「紹介されたか」だけでなく、「正しく紹介されたか」も確認しましょう。料金が古かったり、対応地域が違ったりすれば、お客様の判断に影響します。
記録する項目は、次のようにまとめられます
- 管理番号:例「P-012」
- 入力した質問と、お客様の条件
- 調べている段階:情報収集、比較、購入前など
- 質問の種類:自社名なし、自社名あり、競合比較
- 使ったAIサービス
- 試した回数と、自社が登場した回数
- おすすめされたか、何番目に紹介されたか
- 引用されたページのURLと、サイトの名前
- 説明の正確さ:例「料金が古い」
- 一緒に紹介された競合
- 不足している情報と、次に行うこと
たとえば、「5回中2回登場」「3社中3番目」「料金が古い」と記録できれば、料金ページの更新など、次の作業を考えやすくなります。
確認の指標には、質問のうち何割で登場したか、おすすめされた割合、リンク付きで引用された割合、比較で選ばれた割合、説明の正確さがあります。詳しくは、Aleyda Solis氏のAI検索対策チェックリストをご覧ください。
ただし、ログイン状態や、画面から質問するか別の接続方法を使うかによっても、結果は変わります。数値は絶対的な順位表ではなく、傾向をつかむために使いましょう。Peec AIによるAI検索の露出と売上の測り方でも、この注意点が説明されています。
Aleyda Solis氏も、一つひとつの質問の結果を追うこと自体を、成果目標にしないよう勧めています。「料金」「選び方」「対応地域」など、関連する話題をまとめて見ることが大切です。AI検索の調査とサイトの読み取りについて解説した番組が参考になります。
大手企業でも、まだ測り方を探している段階です
Faber Companyの2026年8月の調査では、大手企業109社のうち、AI検索対策を本格的に行っている企業は10%でした。試験的な実施は35%、情報収集段階は26%です。
重視する指標は、AIでの引用数・引用率と、AI経由の訪問数がともに52.7%でした。一方、29.7%は指標を特に定めていません。出典は、大手企業のAI検索対策を調べたFaber Companyの調査です。
すべての企業で方法が固まっているわけではありません。まず自社の紹介状況を記録することが、改善箇所を見つける出発点になります。
ステップ2 AIがどの情報を参考にしているか調べましょう
次に確認したいのは、AIの回答に付いている出典のリンクです。そこを見ると、どのサイトの情報を参考にしているかがわかります。
お客様がお店を知ったきっかけが、地域の情報誌なのか、動画なのか、知人の口コミなのかで、取り組む場所は変わります。AI検索も同じです。
業種が違えば、参考にされる情報も変わります
Aleyda Solis氏の15ブランドの分析では、外部サイトのなかでも、業種によって引用元が異なりました。以下は、その調査における割合です。
- 業務ソフト:SNS・交流サイト45.7%、ニュース・レビュー・比較サイト10.4%、競合サイト8.1%
- ネット通販:SNS・交流サイト27.5%、ニュース・レビュー・比較サイト0.7%、競合サイト36.6%
- 金融:SNS・交流サイト29.8%、ニュース・レビュー・比較サイト19.4%、競合サイト19.8%
これらは外部サイトの主な分類であり、すべての分類を並べたものではありません。ネット通販では競合の商品情報、金融ではニュースやレビューなど、参考にされる情報の違いが見られます。
同じ調査でも、GoogleのAIモードでは、SNSなどの割合が業務ソフト74.6%、ネット通販41.8%、金融47.6%で、各業種の最大の分類でした。Geminiでは業務ソフトがSNS中心の34.3%で、ネット通販と金融では競合サイトが最大でした。
ChatGPTでは、業務ソフトはSNS、ネット通販は競合サイト、金融はニュース・レビューが中心でした。金融のニュース・レビューの割合は34.2%です。詳細は、業種とAIサービス別の引用元の分析をご覧ください。
「このサービスだけやればよい」とは言い切れません
Profoundは、2024年8月から2025年6月までの6.8億件の引用を分析しています。引用上位10の情報源のなかでは、ChatGPTはWikipediaが47.9%、PerplexityはRedditが46.7%でした。
Redditは、利用者が話題ごとに投稿し、意見を交わす交流サイトです。GoogleのAIによる概要では、Reddit21.0%、YouTube18.8%、質問・回答サイトのQuora14.3%、仕事向け交流サービスのLinkedIn13.0%でした。出典は、ProfoundによるAIサービス別の引用傾向の調査です。
Semrushの2026年1〜4月の米国調査は、1.26億件の質問を対象にしています。ChatGPTは1回答あたり平均15の情報源を引用し、RedditやWikipediaを多く参照していました。Geminiは平均3の情報源で、Wikipedia、Reddit、YouTubeなど、より限られた範囲を参照する傾向でした。
詳しくは、Semrushの2026年AI検索調査をご覧ください。
一方、9業種・5つの検索サービスを調べたBrightEdgeの調査では、Geminiは公的・専門的な情報源が26%、利用者の投稿が0.2%でした。GoogleのAIによる概要では、公的・専門的な情報源が10%、利用者の投稿が18%でした。
同調査では、GoogleのAIモードとAIによる概要で、引用元の重なりは約59%でした。出典は、BrightEdgeによるAIサービスごとの情報源の比較です。
Profoundの別の調査でも、SNSの引用率はAIによる概要15.3%、AIモード14.5%に対し、Geminiは3.6%でした。詳しくは、質問の言語とAIの引用元の関係を調べたProfoundの分析をご覧ください。
調査条件が違うため、これらの数値を同じ基準のランキングとして扱うことはできません。Google検索内のAI機能と、Geminiアプリも分けて考える必要があります。
日本では、YouTubeやnoteなども引用されています
Ahrefsの日本国内の分析を紹介した資料では、2026年6月時点の総合上位は、次の順番でした。対象は、AIモード、AIによる概要、ChatGPT、Perplexity、Copilotの5サービスです。
- YouTube
- note
- Wikipedia日本語版
- アメブロ
- Yahoo!知恵袋
- PR TIMES
- mybest
- 楽天市場
- Wikipedia英語版
この時点の総合上位10には、報道系サイトは入っていませんでした。ChatGPTでは、Reddit、PR TIMES、アメブロの順で、Wikipedia英語版が日本語版より上位でした。
ただし、自動車業界に絞ると、専門メディアが上位10件の半数以上を占めました。全体のランキングと、自社の業界で参考にされるサイトは違うことがあります。出典は、日本国内のAI引用データを紹介したリズクの記事です。
2025年5〜9月の分析では、ChatGPTはReddit、Wikipedia英語版、アメブロが上位でした。AIモードはYouTube、Google.com、Wikipedia日本語版、PerplexityはYahoo!知恵袋、YouTube、Wikipedia日本語版が上位でした。日本のAIサービス別の引用元を紹介したマナミナの記事で確認できます。
自社が取り組む場所は、総合ランキングだけで決めないようにしましょう。お客様に関係する質問で、どのサイトが繰り返し引用されているかを見ると、発信や掲載先を検討しやすくなります。
ステップ3 人にもAIにも読めるホームページに整えましょう
ホームページは、24時間働く営業マンのようなものです。ただし、説明を読み取ってもらえなければ、せっかくの情報が伝わりません。
店頭には料金表が見えていても、案内係が受け取る資料には料金が載っていない。ホームページでも、つくり方によって、これに似たことが起こります。
画面に見える情報を、AIが読めるとは限りません
ホームページには、開いたあとにプログラムを動かして、文字や商品情報を表示する仕組みがあります。その代表がJavaScriptです。
Vercelの2024年12月の分析では、OpenAI、Anthropic、Perplexityなどの主要な情報収集プログラムは、JavaScriptを実行しませんでした。ChatGPT関連の取得では11.50%、Claudeでは23.84%でJavaScriptのファイルを取りに行っていましたが、実行はしていません。
一方、同資料では、GeminiはGoogleの情報収集の基盤を使い、JavaScriptを動かして内容を読み取れると説明されています。これは調査当時の情報です。詳しくは、VercelによるAIの情報収集プログラムの分析をご覧ください。
対策として勧められているのは、料金、商品情報、記事、案内リンクなどを、最初に渡すページの内容に含めることです。専門的にはSSR、SSG、ISRなどの方法がありますが、経営者が名称を覚える必要はありません。
制作会社には、「料金やサービス内容は、追加のプログラムを動かさなくても読み取れる状態ですか」と確認しましょう。見出しや結論が明確で、その部分だけ読んでも意味が通る説明にすることも大切です。
AIの情報収集を、サイト側で止めている場合があります
サイトには、情報収集プログラムの訪問を許可したり、制限したりする設定があります。入口の警備員が、資料を取りに来た相手を通すかどうか決めるようなものです。
OpenAIでは、検索向けの「OAI-SearchBot」と、学習向けの「GPTBot」を別々に設定できます。検索向けの情報収集を許可することと、学習向けの収集を許可することは、同じではありません。詳しくは、OpenAIの情報収集プログラムに関する公式説明をご覧ください。
確認は、robots.txtという訪問ルールのファイルだけでは不十分な場合があります。サーバー会社や、サイトを守る仕組みが、AIの訪問を止めていることもあります。
Aleyda Solis氏も、利用していたサーバー会社がAIの訪問を遮断していた経験を紹介しています。出典は、AIによるサイトの読み取りを扱ったインタビューです。
消えたページや、古い案内先も点検します
Vercelの分析では、ChatGPTの情報収集で取得したページの34.82%が、ページが見つからない「404」でした。Googleの情報収集では8.22%でした。これは同社の分析対象における数値です。
移転したお店の古い住所が残っていれば、お客様は迷ってしまいます。ホームページでも、削除したページから新しいページへの案内や、ページ一覧の更新が必要です。
料金・サービス内容・問い合わせ先を、正しく読み取れる状態にすることが基本です。難しい追加機能を考える前に、営業に必要な情報が届いているかを確認しましょう。
制作会社に相談するときの確認項目
- JavaScriptを無効にしても、料金や商品情報、案内リンクが残るか
- robots.txtで、OAI-SearchBot、PerplexityBot、Googlebotを必要に応じて許可しているか
- サーバー会社やサイトの保護機能が、AIの訪問を遮断していないか
- 訪問記録に、AIのアクセスや、見つからないページがどれくらいあるか
- 重要なページについて、「誰の、どんな質問に答えるページか」を一文で説明できるか
技術的な確認は、担当者に任せて構いません。経営者は、どの情報がお客様の判断に必要かを伝えることで、改善の優先順位を決めやすくなります。

特別な裏ワザより、お客様の疑問に答えることを優先しましょう
新しい集客方法が話題になると、「この設定をすればAIに選ばれる」という情報も出てきます。ただし、名前が新しいことと、効果が確かめられていることは別です。
お店に特殊な札を貼る前に、商品説明や料金表を見直す。AI検索でも、この順番を意識しましょう。
AI向けの特別なファイルが、必須とは限りません
「llms.txt」という、AI向けの案内を想定したファイルがあります。しかし、Googleは、AI検索のためにこのファイルや特別なAI用の記述を使わないと説明しています。
Ahrefsが13.7万サイトを調べたところ、28%がこのファイルを設置していました。一方、有効なファイルの97%は、2026年5月に一度も取得されていませんでした。検索用のAIによる取得も、数千サイト全体で数百回程度でした。
設置すれば必ず紹介される、とは考えないようにしましょう。出典は、llms.txtの利用状況を調べたAhrefsの調査です。
記事を細切れにしたり、似たページを量産したりする必要はありません
Googleは、AI検索向けに文章を細かく分ける必要はなく、理想的なページの長さもないと説明しています。AI専用の「構造化データ」という、機械に内容を伝える特別な記述も不要です。
ただし、通常の構造化データは、検索結果に情報をわかりやすく表示するために引き続き役立ちます。AI用の特別な仕組みが必須ではない、という意味です。
また、質問の言い方が少し違うだけのページを大量につくると、不適切な大量生成と見なされる可能性があります。詳しくは、GoogleのAI検索向け改善ガイドを確認してください。
「よくある質問」は、数より中身が大切です
よくある質問をまとめたページは、FAQと呼ばれます。お客様が実際に迷うことに答えるなら、役立つ情報になります。
ただし、Googleの検索結果に質問と回答を特別な形で表示する機能は、2023年8月から、よく知られた政府・健康分野のサイトに限定されています。一般のお店が質問を増やしただけで、この表示を得られるとは限りません。
出典は、GoogleによるFAQ表示の変更についての説明です。
実際に受けた質問を、わかりやすく答えることを優先しましょう。接客や問い合わせで繰り返し説明していることは、お客様が判断するために必要な情報です。
Aleyda Solis氏も、お客様や交流サイトで実際に出た質問をもとに、質問集やサポート情報をつくることを勧めています。AI向けの水増しではなく、購入前後の不安を減らす内容にすることが大切です。
ステップ4 自社サイトの外でも、信頼できる情報を増やしましょう
自社サイトを整えたら、外部での紹介や発信も考えます。お店の看板を整えたうえで、地域の情報誌や、お客様が読む媒体にも知ってもらうイメージです。
ただし、AIに引用されるためだけに、あらゆる場所へ投稿する必要はありません。お客様が参考にする場所と、自社が継続できる場所を選びましょう。
掲載先や発信先は、6つの視点で選びます
Aleyda Solis氏は、第三者の場を選ぶときに、次の6つの視点で評価することを勧めています。
- AIの回答に、どれくらい影響しているか
- 自社や商品と、どれくらい関係が深いか
- 自社の集客方針と合っているか
- 問い合わせや購入など、事業に役立つか
- 長く価値が残る活動か
- 必要な時間や手間は、無理のない範囲か
詳しくは、AI検索を踏まえた第三者の情報源の選び方をご覧ください。
たとえば、AIの引用ランキングで上位だからという理由だけで、なじみのない交流サイトに力を入れると、負担が大きくなる場合があります。自社の業界で読まれる媒体や、実際のお客様が見る場所との関係も確かめましょう。
引用元の傾向は変わります。そのため、AIの引用が変わっても、お客様に役立つ発信を選ぶことが大切です。
つくりものの口コミは、長期的な信頼を損ないます
評判が大切だからといって、実在しないお客様のレビューをつくったり、交流サイトの反応を装ったりしてはいけません。Aleyda Solis氏は、こうした引用の操作は、短期的な露出につながっても、長期の信頼を損なうと警告しています。
考えるべきなのは、自社の情報を正確に伝え、実際の評価や紹介が積み重なるようにすることです。AI検索対策のチェックリストでも、この点が重視されています。
ステップ5 訪問数だけでなく、問い合わせや売上へのつながりを見ましょう
AIに紹介されても、ホームページへの訪問数だけでは、その効果をすべて把握できません。AIで店名を知り、あとからGoogleで検索して来る人もいるからです。
実店舗でも、情報誌でお店を知った人が、翌日に看板を見つけて入店することがあります。入口だけを見ていると、最初に知ったきっかけを見落とします。
数字は「確認できたもの」「手がかり」「推定」に分けます
Aleyda Solis氏は、AI検索の評価を、露出、情報を届ける準備、事業への影響の3つに整理しています。売上への影響については、根拠の確かさを分けて扱うことが大切です。
- 確認できたもの:AIからの訪問数、問い合わせや購入の割合、訪問あたりの売上など
- 手がかり:会社名での検索の増加、来訪経路がわからない訪問、アンケートの回答など
- 推定:前提を置いて計算した、AIの影響による売上の見積もり
このうち、推定は最も確かさが低い数字です。計画には使えても、実際の成果を証明する数字としては扱いません。詳しくは、Aleyda Solis氏によるAI検索の成果測定の資料をご覧ください。
会社名で検索することは「指名検索」と呼ばれます。AIで名前を知った人が後から指名検索をすると、解析ツールには、AIではなく通常の検索から来たように記録される場合があります。
企業向けのサービスでも、AIの影響が、後日の会社名検索や直接の商談依頼として現れることがあります。AIからのリンク経由で確認できた成果は、全体の一部として見る必要があります。
AI経由の訪問は、量と購入率を分けて見ます
Parseが紹介する調査では、ネット通販94社のアクセス解析データを12か月分分析しています。ChatGPT経由の購入などの割合は1.81%、会社名や商品名を含まない通常検索からの訪問では1.39%でした。相対的には、ChatGPT経由が31%高い結果です。
この「購入や問い合わせにつながった割合」は、専門用語でCV率と呼ばれます。難しく考えず、「来てくれた人のうち、何人が申し込んだか」を見る数字です。
一方、同記事では、多くのサイトでAI経由の訪問と売上は、全体の約1〜1.5%とされています。購入率が高くても、訪問数が少なければ、売上全体への影響は限られます。
自社でも同じ結果になるとは限りません。売上予測にそのまま使わず、傾向を確認する数字として扱いましょう。出典は、AI検索経由の購入率と訪問量を解説したParseの記事です。
まずは、お客様に「何で知ったか」を聞きましょう
解析ツールでわからない部分は、お客様への質問が手がかりになります。購入後や契約時のアンケートに、次の項目を入れる方法が提案されています。
- 当社を最初に知ったきっかけは何ですか。検索、AI、SNS、動画、知人、その他から選んでください。
- 購入・契約の前に、ChatGPT、Gemini、GoogleのAIモードなどで、当社やサービスの情報を見かけましたか。はい、いいえ、覚えていないから選んでください。
- 「はい」の方は、どのような質問をしたか教えてください。
- 最終的な決め手は何でしたか。公式サイト、比較サイト、口コミ、AIの回答、営業担当などから選んでください。
AIからの訪問数だけで、AIの集客効果を決めつけないことが大切です。問い合わせや購入のきっかけまで見ると、数字だけではわからない経路を把握できます。
サイバーエージェントの2026年2月の調査は、9,278人を対象にしています。同調査では、AI回答のURLをよく、またはときどき押す人が54.4%、AIに勧められた商品を追加で検索する人が69.0%、勧められて購入・利用した人が47.5%でした。
回答対象などの調査条件を含めて、AI検索後のクリック・追加検索・購入を調べた調査をご確認ください。
グランネットの有職者500人への調査でも、生成AI利用者の66.3%が購入前の比較検討にAIを使い、65.2%が意思決定に影響したと答えています。AIで候補を知ってから、別の場所で確かめる行動も考慮しましょう。
解析ツールの設定は、担当者に任せて構いません
Googleアナリティクス4、略してGA4は、ホームページの訪問や行動を調べる道具です。担当者には、次のAIサービスからの訪問を分けて確認できるか相談しましょう。
- ChatGPT:参照元の例はchatgpt.com
- Perplexity:参照元の例はperplexity.ai
- Gemini:参照元の例はgemini.google.com
- Microsoft Copilot:参照元の例はcopilot.microsoft.com
- Claude:参照元の例はclaude.ai
これらを「AI経由」としてまとめる設定方法は、SemrushによるAI経由の訪問の測定方法で解説されています。
GA4には、複数の接点に成果を割り当てる方法と、最後の接点を重視する方法があります。資料では、データに基づく方法、有料・通常検索を含む最後の接点を使う方法、Google広告の最後の接点を使う方法の3つが説明されています。
また、アドレスを直接入力した訪問などは、すべての経路が直接訪問の場合を除き、成果の貢献先として割り当てられません。解析上の数字が、接客の全経緯を表すわけではない点に注意しましょう。詳しくは、Googleアナリティクスの成果の割り当て方に関する説明をご覧ください。
資料では、Google Search Consoleに、AIによる概要とAIモードの表示回数を確認できるレポートが追加され、2026年8月31日までに全サイトへ展開されたと紹介されています。ページ、国、端末、日付ごとに確認できるという内容です。出典は、Googleの生成AIに関する検索実績レポートの説明です。
Bing Webmaster Toolsでも、CopilotやBingのAI要約での引用数、引用ページ、回答のために参照された検索内容を確認できると、前述のAleyda Solis氏の資料で紹介されています。使える機能は担当者と確認し、アンケートの結果とあわせて見ていきましょう。

ステップ6 日本のお客様には日本語で、海外には現地に合う情報を届けましょう
海外向けの集客では、日本語のページをそのまま翻訳すれば十分とは限りません。お客様が見る媒体や、料金の示し方、購入前に確かめたいことも違うからです。
海外からのお客様に接客するとき、言葉だけでなく、使う通貨や提供できるサービスも説明するでしょう。ホームページや外部での紹介も、同じように考えます。
AIが使う情報源は、質問の言語でも変わります
Aleyda Solis氏は、スペイン、アルゼンチン、フランス、米国で3ブランドを分析しています。英語以外の市場では、質問と同じ言語の情報源が引用された割合は、Gemini約77%、ChatGPT52%、AIモード53%でした。
引用元は、おおむね現地の言語か英語でした。ただし、限られたブランドを対象にした調査であり、すべての地域や業種の割合ではありません。出典は、市場と言語によるAIの引用元の違いを紹介した投稿です。
Profoundの14か国・32.5億件の引用の分析でも、質問の言語によって、引用元の構成が大きく変わることが確認されています。ChatGPTのSNS引用率は、英語圏の約10%に対し、調査した英語以外の市場では3〜5%でした。
研究でも、英語の質問では英語の情報源を、英語以外の質問では同じ言語の情報源を好む傾向が確認されています。出典は、多言語の質問と参照する情報の関係を調べた研究です。
翻訳だけでなく、現地で確かめられる情報を整えます
Aleyda Solis氏は、現地の言葉に直すだけでなく、事業者名や商品名が正しく結びつく情報、機械が読み取りやすい事業者情報も整える必要があると説明しています。市場ごとの情報整備についてのAleyda Solis氏の投稿が参考になります。
市場ごとに確認する項目には、次のようなものがあります。
- 通貨と料金の表示
- その国や地域の規制
- 商品やサービスを提供できる範囲
- 比較される競合
- お客様が読む媒体や使う通販サービス
- 現地のレビューや、信頼を確かめるための情報
現地の言葉でAIに質問し、現地の位置情報を使った場合と、通常の位置設定の場合の両方で確認する方法も勧められています。
同氏の調査では、ChatGPTで現地向けの紹介がうまくいっていたブランドに、現地メディアや交流サイトでの情報の厚みが見られました。ただし、すべてのAIサービスで同じ結果ではなく、兆候として捉える必要があります。
日本のお客様が中心なら、日本語の情報を丁寧に整えましょう
日本国内の引用元には、英語版WikipediaやRedditも入っています。ChatGPTが質問を英語に置き換えて検索している可能性も指摘されていますが、これは確定した説明ではありません。
一方で、YouTube、note、アメブロ、Yahoo!知恵袋、PR TIMESなど、日本語で情報を届けられる場も多く引用されています。日本語で正確な情報を発信する重要性は変わりません。
GoogleのAIモードは、2025年9月9日から日本語で提供されています。詳しくは、Googleによる日本語AIモードの紹介をご覧ください。
日本のお客様が知りたいことを、日本語でわかりやすく答えることが基本です。海外の成功例を、そのまま日本の集客に当てはめないようにしましょう。
今後、現地の言葉に対応する精度がどれくらい高まるかについては、資料内で定量的な予測は確認されていません。将来の見通しと、現在の調査結果は分けて考える必要があります。
AI検索時代の集客は、社内の情報をつなぐことから始まります
AI検索への対応は、ホームページ担当者だけの仕事ではなくなっています。料金、商品説明、口コミ、動画、問い合わせ対応など、複数の情報が関係するからです。
実店舗でも、看板の案内、店員の説明、レジで伝える料金が違えば、お客様は迷います。インターネット上でも、公式サイトや外部の紹介で、情報が食い違わないことが大切です。
専門知識より、まずお客様の疑問を集めましょう
経営者や現場の担当者が持っている接客経験は、情報を整えるための材料になります。「料金について何を聞かれるか」「比較するときに何を迷うか」「契約前にどんな確認があるか」を集めましょう。
その質問をもとに、ホームページ担当、営業、SNSや動画の担当、お客様のサポート担当が連携します。一人で運営している場合も、同じ情報を各ページや発信先で使えているか確認できます。
取り組む順番は、この6つです
- お客様が聞きそうな質問を用意し、AIでの紹介状況を確認する
- AIの回答に付いたリンクを見て、自社の業界で参考にされる場所を調べる
- 公式サイトの料金やサービス内容を更新し、AIにも読み取れるか確認する
- お客様に関係する外部媒体で、正確な情報や紹介を増やす
- 訪問数、問い合わせ、売上、アンケートを分けて確認する
- 対象となる国や言語に合わせて、情報と発信先を整える
検索順位は、今後も大切な指標です。ただし、それだけで集客全体を判断せず、AIでの紹介内容や、実際の問い合わせへのつながりも見ていきましょう。
最初の一歩は、AIに自社の関連質問をして、紹介内容と料金の正確さを確かめることです。そこから、お客様が判断するために足りない情報を、一つずつ整えていきましょう。
