ネットで初めて見るお菓子を買うとき、「本当においしいのかな?」と迷ったことはないでしょうか。
写真がおいしそうでも、味や食感までは実際に食べてみないと分かりません。
さらに、あまり知らない小さなお店の商品なら、「ちゃんと届くのかな」「買って失敗しないかな」という不安もあります。
これは食品をインターネットで販売する小規模事業者にとって、大きな壁です。
米国の家族経営のフリーズドライ菓子店「SweetyTreatyCo」は、この壁をとても分かりやすい方法で乗り越えました。
それが、「6人の子どもが認めた商品だけを販売する」という見せ方です。
さらに、SNSで反応の良かった動画を広告にも活用しました。
結果として、TikTok公式のSweetyTreatyCo事例では、1件の購入を得るための広告費であるCPAが20%低下し、総コンバージョンは14,000%超増加したと紹介されています。
この事例から学べるのは、「子どもを動画に出せば売れる」という話ではありません。
お客様が感じている不安を、信じやすい証拠で取り除き、その証拠を広告で広げたことが重要です。

フリーズドライ菓子ECが、家族の厳しい試食を“購入の証拠”に変えた方法
フリーズドライのお菓子を初めて見る人は、写真だけでは商品の良さを判断できません。
「サクサクしているのか」「固くないのか」「普通のお菓子と何が違うのか」など、いろいろな疑問が出てきます。
実店舗なら、試食してもらえばすぐに伝えられます。
しかしネットショップには試食コーナーがありません。
いわば、お客様は商品を手に取れないまま、レジへ進むかどうかを決めなければならないわけです。
SweetyTreatyCoは、難しい製法の説明を並べる代わりに、「6人の子どもたちが試食し、認めたお菓子だけを販売している」という物語を使いました。
ポイントは、自分たちで「おいしいです」と言っていないことです。
遠慮なく本音を言う子どもたちを、商品の良さを判断する存在として見せました。
例えば飲食店でも、「店主おすすめです」と書かれている料理より、「常連さんが毎回来ると注文する料理」と言われたほうが、気になることがあります。
それと同じ考え方です。
さらに同社は、SNSで自然に投稿し、すでに反応が出ていた動画をSpark Adsという広告機能で広げました。
Spark Adsとは、普段の投稿をそのまま広告として多くの人に届ける仕組みです。
広告の成果も、単に「何回動画が見られたか」ではなく、「何件購入されたか」で判断しました。
人気の動画を作ることではなく、売上につながる動画を見つけたことが、この事例の重要なポイントです。
まず押さえたい事例の全体像
ここで、SweetyTreatyCoの取り組みをシンプルに整理してみましょう。
- 事業者:SweetyTreatyCo
- 商品:フリーズドライ加工したお菓子
- 創業:2021年
- 創業者:Megan Steck
- 商品の信頼材料:6人の子どもが試食し、合格した商品だけを販売
- 集客:TikTokの通常投稿を活用
- 広告:反応の良かった投稿をSpark Adsで広告化
- 計測:TikTok Pixelを使って購入までの行動を確認
- 広告の目標:Complete Payment、つまり購入完了
- 広告の対象:最初から細かく絞りすぎない広いターゲティング
- 広告予算:1日30ドルから開始し、成果確認後に120ドルへ増額
- 公開成果:CPA20%低下、総コンバージョン14,000%超増、初週70件超の購入完了
ここでいうTikTok Pixelとは、お客様がお店のWebサイトを訪れたあと、「商品を見た」「カートに入れた」「購入した」といった行動を確認する仕組みです。
実店舗で例えるなら、来店人数だけでなく、「商品を手に取った人数」「レジまで来た人数」「実際に買った人数」を数えるようなものです。
広告を出すだけではなく、その後に本当に売れたかまで確認している点が重要です。
詳しい内容は、TikTok公式の事例ページでも確認できます。
顧客が買わない理由は「味が分からない」だけではない
この事例を日本の食品ECに活かすなら、まず「なぜお客様は買わないのか」を考える必要があります。
新しい商品や、まだ名前を知られていないお店の商品を買うとき、お客様は商品だけを見ているわけではありません。
「このお店から買って大丈夫だろうか」という部分まで見ています。
1. 食感をイメージできない
食品は、「おいしそうな写真」を載せるだけでは十分に伝わらないことがあります。
例えばフリーズドライ菓子なら、お客様は次のようなことを考えます。
- サクサクしているのか、固いのか
- 口に入れると溶けるのか
- 普通のお菓子より味が濃いのか
- 子どもでも食べやすいのか
- また食べたいと思う味なのか
ここで「独自製法で作っています」と説明しても、食べたときの感覚までは想像しにくいものです。
それよりも、「子どもが食べて、また食べたいと言った」と伝えたほうが、味の良さをイメージしやすくなります。
専門的な説明より、実際に食べた人の反応のほうが伝わりやすい場合があるということです。
2. 小さなお店への信頼がまだ足りない
有名な会社の商品なら、名前を知っているだけである程度安心できます。
店舗数や口コミ、長年の販売実績も信用材料になります。
一方で、小規模なネットショップでは、「本当に商品が届くのか」「写真どおりなのか」と心配されることがあります。
そこで役立つのが、店主や作り手の顔が見える発信です。
SweetyTreatyCoでは、6人の子どもによる試食が、単なる家族の紹介ではなく「この店がどんな基準で商品を選んでいるのか」を伝える役割を果たしています。
実店舗で考えると分かりやすいでしょう。
知らない店でも、店主が出てきて「これは毎日家族でも食べています」と話してくれると、少し安心できます。
小さな会社は、大手と知名度で戦う必要はありません。
人柄や考え方、商品を選ぶ基準を見せることで、別の方法で信用を作れます。
3. SNSの「面白い」と購入の「安心」は別物
TikTokやSNSで動画がたくさん見られても、そのまま売上につながるとは限りません。
お客様が動画を見て、「面白い」「かわいい」「食べてみたい」と感じることと、実際に財布を出すことは別だからです。
- 本当に自分に合う商品なのか
- 値段に見合っているのか
- 買って後悔しないか
- 配送は大丈夫なのか
- ほかの人も購入しているのか
例えるなら、SNSはお店の前で配るチラシや呼び込みです。
興味を持って店内に入ってもらうことはできますが、その後に商品を選び、レジまで進んでもらう仕組みも必要です。
SweetyTreatyCoは、動画の再生数だけで満足しませんでした。
Spark AdsとTikTok Pixelを使い、最終的な「購入完了」まで確認しています。

このブランドが使った4つの説得構造
1. 自分で褒めるのではなく、第三者に判断してもらった
「おいしい」「高品質」「こだわっています」という言葉は、多くのお店が使っています。
もちろん間違いではありません。
ただ、お客様から見ると「お店が自分の商品を褒めているだけ」と受け取られることもあります。
SweetyTreatyCoは、そこを変えました。
- 一般的な表現:私たちが自信を持っておすすめするお菓子です
- 伝わりやすい表現:率直な子どもたちが認めたお菓子だけを販売しています
子どもは、おいしくなければ素直に「いらない」と言います。
そのイメージがあるため、「子どもが認めた」というだけで商品の基準をイメージしやすくなります。
専門家による審査や第三者機関の認証とは違います。
しかし、お菓子のように楽しさや親しみやすさが大切な商品では、家族の率直な反応が強い説得材料になることがあります。
2. 品質の基準を、一言で覚えられる形にした
「厳選した材料を使用しています」「何度も検品しています」と説明しても、似た表現が多いため記憶に残りにくいものです。
ところが、「6人の子どもが認めたものだけを売る」と聞けば、一度でイメージできます。
良いブランドストーリーは、説明しなくても意味が分かることが大切です。
- 一度聞けば意味が分かる
- 商品の良さと直接つながっている
- ほかのお店が簡単には真似できない
SweetyTreatyCoの「6人の子ども」という話には、この3つがそろっています。
3. 反応が出た投稿だけを広告に使った
広告を始めると、「広告用に立派な動画を作らなければ」と考えがちです。
しかし、最初から売り込みの強い動画や、作り込みすぎた映像を作っても、お客様に見てもらえるとは限りません。
SweetyTreatyCoは、先に普通のTikTok投稿を行いました。
そして、実際に反応の良かった動画をSpark Adsで広告として広げています。
これは、実店舗で考えると「まず店頭で商品を並べ、お客様がよく手に取る商品だけをチラシに載せる」ような方法です。
- 普通の投稿で、お客様が見るかどうか確かめる
- 反応の良い投稿だけに広告費を使う
広告を勘だけで作るのではなく、先にお客様の反応を確認しているわけです。
4. 再生数ではなく「購入」を広告に覚えさせた
動画の再生回数が増えると、「広告が成功した」と感じてしまうことがあります。
しかし、お店に必要なのは再生回数ではなく、最終的には売上です。
SweetyTreatyCoはTikTok Pixelを使い、購入につながる行動を確認しました。
そして、Complete Payment、つまり「購入完了」を広告の目標にしています。
- 再生を重視する:動画を見やすい人へ広告を届ける
- クリックを重視する:リンクを押しやすい人へ届ける
- カート追加を重視する:商品をカートに入れやすい人へ届ける
- 購入完了を重視する:実際に買いやすい人へ届ける
店の前を通った人数ではなく、「何人がレジで買ったのか」を見るのと同じです。
数字から読むべきこと
TikTok公式事例では、次の結果が紹介されています。
- CPA:20%低下
- 総コンバージョン:14,000%超増加
- 購入完了:初週70件超
- 日予算:30ドルから120ドルへ増額
- ターゲティング:最初から対象を細かく絞り込みすぎないBroad targetingを採用
CPAとは、「1件の購入を得るために、いくら広告費を使ったか」という数字です。
例えば広告費1万円で10件購入されたなら、単純計算では1件あたり1,000円です。
コンバージョンとは、広告を見た人が購入や申し込みなど、こちらが望む行動をしたことです。
この事例では購入につながる行動が大きく増えました。
ただし、「14,000%増」という数字だけを見て、同じことをすれば同じ結果が出ると考えるのは危険です。
割合は、最初の数字が小さいほど大きく見えます。
例えば1件だったものが141件になれば、増加率は14,000%です。
また、公開情報だけでは、総売上、利益、リピート率、返品率などすべてが分かるわけではありません。
この事例で参考にしたいのは、派手な数字よりも次の流れです。
- まず普通のSNS投稿をする
- 反応が良かった投稿を広告にする
- 購入までの行動を計測する
- 購入につながる広告を見つける
- 小さな予算で試す
- 結果が良ければ少しずつ広告費を増やす
最初から大金を使わず、小さく試してから広げるという考え方です。
この方法は食品だけではありません。
化粧品、雑貨、地域特産品、ハンドメイド商品、オンライン講座などでも応用できます。
日本の食品ECに置き換える方法
ここで注意したいのは、「6人の子ども」という部分だけを真似しないことです。
大切なのは、自分のお店にもともと存在する「本当の話」を見つけることです。
実際の試食風景、お客様の反応、生産者の習慣などを探してみましょう。
焼き菓子・スイーツ店の場合
よくある表現は、次のようなものです。
「素材にこだわり、何度も試作を重ねた自慢の焼き菓子です。」
もちろん間違いではありませんが、似た表現はたくさんあります。
例えば、実際にスタッフ全員で試食しているお店なら、次のように伝える方法があります。
「試作のたびにスタッフ全員が食べます。
『自分でも買いたい』と全員が言った味だけ、店頭とオンラインで販売しています。」
動画なら、次のような入り方もできます。
- 「新作クッキー、スタッフ試食で『これは売れる』が出るまで販売しません」
- 「店主の家では、売れ残りではなく『味見に通ったもの』から子どもに出します」
農産物・産地直送の場合
「生産者が丹精込めて育てた、新鮮で高品質な野菜です」という説明だけでは、ほかとの違いが分かりにくいことがあります。
例えば、実際に生産者の家族が食べているなら、
「生産者の家族が毎日の食卓に出したいと思える状態だけを、発送しています。」
と伝えたほうが、品質をイメージしやすくなります。
- 「出荷前に、農家の食卓で食べている野菜です」
- 「見た目だけでは選びません。家族が『今日も食べたい』と言うものを箱に詰めます」
ご当地食品・地域ブランドの場合
「地元で愛される伝統の味を、全国へお届けします」という表現もよく使われます。
これを、実際のお客様の行動に置き換えると、より伝わりやすくなります。
「地元の人が観光客への手土産に『これなら間違いない』と選ぶ味を、そのままお届けします。」
- 「観光客向けではありません。地元の人が自分用に買う定番です」
- 「京都で手土産を聞かれたら、店主がまずこれを出します」
京都の和菓子、抹茶菓子、漬物、だし、地酒、クラフト食品なども同じです。
「歴史があります」「伝統製法です」と説明するだけではなく、今、地元の人がどんな場面でその商品を選んでいるのかを見せると、商品の魅力が具体的になります。

そのまま使えるコピー設計
ブランドの核をつくるテンプレート
自分のお店にも「商品の良さを証明する話」がないか、次の形に当てはめて考えてみてください。
私たちは、[遠慮なく本音を言う人・厳しい基準を持つ人]が、
[具体的な反応・基準]を示した[商品]だけを、
[販売場所・お客様]に届けています。
ポイントは、作り話ではなく実際に自社で行っていることを言葉にすることです。
食品ECで使えるコピー例
- 「店主の子どもが『また食べたい』と言った味だけ、販売しています。」
- 「試作品は、スタッフが『自腹でも買う』と言うまで終わりません。」
- 「生産者の食卓に毎日並ぶ品質を、そのまま発送します。」
- 「地元のお客さまが、来客用に選ぶものだけをオンラインでも扱っています。」
- 「おいしいと言われるより、『もう一度ほしい』と言われる味を目指しています。」
- 「写真映えのためではなく、最後の一口まで食べたくなるために作っています。」
- 「広告のために作った評価ではありません。いつもの試食会で残った本音です。」
初めてのお客様の迷いを減らすコピー
今回のTikTok公式事例には、明確な初回割引や返金保証は記載されていません。
ただ、日本の食品ECで初めてのお客様が迷っているなら、「何を買えばいいのか」を案内する方法があります。
- 「初めての方は、人気No.1セットから。」
- 「迷ったら、定番3種の食べ比べセットをどうぞ。」
- 「まずは一番リピートされている味をお試しください。」
- 「ギフトの前に、ご自宅用の少量セットから。」
- 「どれにするか迷う方へ。店主おすすめを詰め合わせました。」
実店舗で「初めてなら、まずこれがおすすめですよ」と店員さんが案内するのと同じです。
値引きしなくても、選びやすくするだけで購入のハードルを下げられることがあります。
TikTok広告へ落とし込む実務手順
1. 最初から広告を作らず、まず普通に投稿する
いきなり広告用の動画にお金をかける必要はありません。
まずは短い動画を何本か普通に投稿し、お客様の反応を見ます。
食品なら、次のような動画が考えられます。
- 子ども、スタッフ、家族による正直な試食
- 食べた瞬間の表情
- 食べたときの音
- 製造工程の一部
- 商品を割る、砕く、口に入れる瞬間
- 人気フレーバーの比較
- 店主が「これは売らない」と判断した失敗作
- お客様が購入した理由
- リピートした理由
- 梱包や発送の様子
- ギフトとして使っている場面
- 初めて食べた人のリアクション
映像がきれいかどうかより、最初に「ちょっと見てみたい」と思ってもらえるかが重要です。
2. 最初の1〜2秒で興味を持ってもらう
SNSでは、最初の数秒で興味を持ってもらえないと、そのまま次の動画へ移動されます。
フリーズドライ菓子なら、例えば次のような入り方があります。
- 「これ、普通のグミじゃありません」
- 「子ども6人の試食を通過したお菓子です」
- 「サクサクのグミって、本当においしいの?」
- 「新作は、子どもに却下されたら販売しません」
- 「食べると音が変わるお菓子、見てください」
- 「最初は半信半疑だった人が、最後にもう一袋買った理由」
- 「知らないお菓子をネットで買う前に、これだけ見てください」
商品説明から始めるのではありません。
まず、お客様が感じている疑問を代わりに言ってあげます。
3. 反応の良かった投稿を広告にする
広告に使う動画は、再生回数だけで決めないことが大切です。
- どのくらい長く見られたか
- 最後まで見てもらえたか
- どんなコメントが付いたか
- 保存やシェアをされたか
- プロフィールを見てもらえたか
- 商品ページへ移動したか
- カートに商品を入れたか
- 実際に購入したか
特に、「どこで買えますか」「これ食べたい」「味が気になる」「ギフトにしたい」といったコメントが付いている動画は注目できます。
単なる「面白かった」という反応より、購入につながりそうな反応が出ている動画を広告候補にします。
4. Pixelを使って購入まで確認する
TikTok公式事例では、購入までの流れで複数の行動を計測する考え方が紹介されています。
最低限、次のような行動を確認します。
- 商品を見た
- カートに入れた
- 決済画面へ進んだ
- 購入した
実店舗で例えると、「来店した人が多いのに、誰もレジまで来ない」という状態なら、広告以外にも問題があるかもしれません。
ネットショップでも同じです。
広告をクリックされているのに売れない場合は、商品ページ、送料、到着予定日、決済方法、レビュー、セット内容、スマートフォンでの見やすさなども確認する必要があります。
5. 少ない広告費から始める
SweetyTreatyCoは、最初から大きな金額を使ったわけではありません。
TikTok公式事例によると、1日30ドルから始め、成果を確認したあとに120ドルまで増額しています。
小規模事業者なら、次の順番で考えると分かりやすくなります。
- 普通のSNS投稿で反応を見る
- 反応の良い投稿を広告にする
- 商品閲覧、カート追加、購入を確認する
- 広告費に対して利益が残るか確認する
- 問題なければ少しずつ広告費を増やす
広告でよく使われるCPAとは、1件の購入を得るための広告費です。
ROASとは、使った広告費に対して、どれだけ売上が戻ってきたかを見る数字です。
ただし、CPAだけを見てはいけません。
食品の場合は、商品を売ったときに残る粗利から、梱包費、送料、決済手数料なども引いて考える必要があります。
考え方は次のようになります。
許容CPA = 1件あたりの粗利 − 梱包費 − 送料負担 − 決済手数料 − 利益として残したい金額
例えば、1件の注文で残る粗利が2,400円だとします。
- 粗利:2,400円
- 梱包・発送にかかる費用:500円
- 決済などの費用:200円
- 最低限残したい利益:700円
この場合、広告に使える金額の目安は1件あたり1,000円です。
2,400円 − 500円 − 200円 − 700円 = 1,000円
もし1件売るために1,500円の広告費が必要なら、再生数が多くても広告を増やすべきではないかもしれません。
広告は「たくさん見られたか」ではなく、「最後に利益が残ったか」で判断することが大切です。
真似してはいけないポイント
「家族が褒めた」という話を作らない
この事例で最も注意したい部分です。
家族の試食、スタッフの試食、地元のお客様の評価などを使う場合は、実際に行われていることでなければなりません。
- 「子どもが認めた」と言うなら、本当に子どもが試食している
- 「スタッフ全員が自腹でも買う」と言うなら、その事実がある
- 「地元で愛されている」と言うなら、実際のお客様や販売実績がある
売るために物語を作るのではなく、本当にある物語を見つけて伝えることが重要です。
再生数を売上だと思わない
動画が10万回、100万回見られても、利益が残っていなければ商売として成功しているとは言えません。
特に食品は、広告費以外にもさまざまな費用があります。
- 購入件数
- CPA
- 売上
- ROAS
- 粗利ベースの利益
- 初めて購入した人の割合
- リピート率
- セットごとの利益率
- 広告から来た人と自然に来た人の割合
さらに、送料、冷蔵・冷凍費用、梱包、破損、賞味期限なども利益に影響します。
SNSの再生回数は、お店の前を歩いた人数に近い数字です。
本当に見るべきなのは、その中から何人が買い、いくら利益が残ったかです。
公式事例の数字を「自分も同じ結果が出る」と考えない
TikTok公式事例では、CPA20%低下、総コンバージョン14,000%超増加、初週70件超の購入完了という成果が紹介されています。
ただし、公開情報だけでは総広告費、売上高、平均注文額、利益率、詳しい計測期間、リピート率、動画の本数などは分かりません。
そのため、「TikTok広告を出せば14,000%売れる」という意味ではありません。
むしろ真似すべきなのは、次の考え方です。
- 自社に本当にあるブランドストーリーを探す
- お客様にも分かる「商品の良さの証拠」に変える
- まずSNSの普通の投稿で反応を見る
- 反応の良かった投稿を広告にする
- 購入まで計測する
- 小さく試し、結果を見て広告費を増やす
まとめ
SweetyTreatyCoが売上につなげられた理由は、単に「6人の子どもが試食していたから」ではありません。
ネットでは確かめにくい味、食感、品質への不安を、「6人の子どもが認めた商品だけを販売する」という分かりやすい証拠に変えました。
さらに、普通のSNS投稿の中から反応の良い動画を選び、Spark Adsで広告として広げました。
TikTok Pixelを使って購入まで確認し、広告の目標も再生数ではなく購入完了に置いています。
TikTok公式事例では、CPA20%低下、総コンバージョン14,000%超増加、初週70件超の購入完了という結果が紹介されています。
しかし、日本の小さなお店や会社が参考にすべきなのは、その数字そのものではありません。
「うちの商品は良いです」と言うだけではなく、誰が、どんな基準で、その良さを認めているのかを見せること。
そして、その証拠をSNSで発信し、反応の良いものを広告で広げ、最後の購入まで確認することです。
食品ECの広告は、大きな声で商品の良さを叫ぶ競争ではありません。
お客様が感じている「買って失敗したくない」という不安を、どれだけ分かりやすい証拠で取り除けるかが大切です。
難しい広告テクニックをいきなり覚える必要はありません。
まずは、「うちの商品なら、誰のどんな反応が一番信用してもらえるだろう?」と考えるところから始めてみてください。
