「会社紹介動画を作ったのに、問い合わせが増えない」「ホームページに載せたまま、ほとんど使っていない」。
時間もお金もかけた動画が、こんな状態になっていませんか?
会社紹介動画は、会社の様子を映すだけのものではありません。
お客様や応募を考えている人に、仕事内容や働く人を紹介する「動画の営業担当」です。
お店でも、店内がきれいなだけでは購入につながりません。何を扱っているのか、どんな相談ができるのかを伝える接客が必要です。
会社紹介動画も、見た人が「相談してみよう」「ここで働いてみたい」と思える内容にすることが大切です。
そのために必要なのは、撮影前に、誰に何を伝え、その後どう動いてもらうかを決めることです。
この記事では、会社紹介動画で避けたい7つの失敗と、具体的な改善方法を紹介します。
撮影日を決める前に、動画の目的を決めましょう
「会社紹介動画を作ろう。まず撮影日を決めよう」。
この順番で進めると、動画は完成しても、使い道が曖昧になりやすくなります。
チラシを作るときも、誰に配り、何を案内するのかを先に考えますよね。
動画も同じです。撮影の準備より先に、見せる相手と目的を決めましょう。
次の順番で考えると、必要な内容を整理しやすくなります。
- 誰に見せるかを決める
- 見た後に、どんな行動を取ってほしいかを決める
- どこに載せ、どんな場面で使うかを決める
- 相手の不安や疑問と、伝えるべき自社の強みを整理する
- 話す順番、動画の長さ、撮影する内容を決める
- 撮影・編集する
- 公開後も、営業・採用・SNS・ホームページで繰り返し使う
最初から難しく考える必要はありません。
まずは「誰に、何のために見せる動画なのか」を、社内や制作会社との打ち合わせで共有してください。
失敗1:見せる相手を決めずに撮影を始める
「とりあえず会社を紹介できればいい」と撮影を始めると、伝えたいことが増えすぎてしまいます。
会社紹介動画を見る人は、それぞれ知りたいことが違うからです。
- 初めて会社を知る、将来のお客様
- 問い合わせ前に、他社と比較しているお客様
- 商談中の担当者や、契約を決める責任者
- 求人を見て、応募を考えている人
- 取引や協力を検討している企業
- すでに取引しているお客様や、地域の人
お店でも、商品を買いに来た人と、求人を見て訪れた人では、接客の内容が違います。
全員に同じ説明をすると、どちらにも必要な情報が十分に伝わりません。
企業向けのサービスを探しているお客様なら、「どんな困りごとを解決できるか」「依頼後はどう進むか」が気になります。実績や担当者への信頼も大切です。
採用向けなら、仕事内容、働く人、職場の雰囲気、成長できる機会、会社が大切にしている考え方を中心に伝えます。
改善方法:動画の役割を一文にしましょう
撮影日を決める前に、次の一文を埋めてみてください。
この動画は、【誰】が、【どんな不安・疑問】を持ったときに見て、見た後に【どんな行動】を取ってもらうための動画です。
例えば、動画制作会社なら次のように整理できます。
この動画は、動画制作会社を比較している中小企業の経営者に見てもらうものです。
「自社の目的を理解してくれるだろうか」という不安を減らし、初回相談を申し込んでもらうことを目指します。
この一文が決まると、撮影する場面やインタビューの質問を選びやすくなります。
ナレーションや、最後に伝える案内にも、一本の筋が通ります。
企業PR動画全体の効果や進め方は、企業PR動画の効果と作り方の解説も参考にしてください。

失敗2:会社の歴史ばかり話し、お客様の疑問に答えない
創業年、代表の挨拶、社屋、経営理念、事業紹介。
会社紹介動画では、こうした内容を順番に並べがちです。
会社の歴史や考え方は、信頼につながる大切な情報です。
ただ、お客様が最初に知りたいのは、「この会社は、自分の困りごとを解決してくれるのか」ということです。
例えば、雨漏りの相談に来た人に、会社の創業から長く説明するとどうでしょうか。
まずは「雨漏りに対応できるのか」「どんな流れで直すのか」を聞きたいはずです。
動画でも、次の疑問に答えることを優先しましょう。
- 自分と似た困りごとに対応してくれそうか
- どんなサービスを、どこまで頼めるのか
- 他の会社と何が違うのか
- 実績や具体的な事例はあるのか
- 担当者は信頼できそうか
- 依頼後は、どんな順番で進むのか
改善方法:お客様が知りたい順番に並べ替えましょう
会社が話したい順番ではなく、お客様が知りたい順番で伝えることが大切です。
例えば、アタリカの支援を紹介するなら、次のように組み立てられます。
- お客様の悩み
「集客や採用のために動画を作っても、問い合わせにつながらない」 - 悩みに対する支援
「アタリカは、映像を作るだけでなく、企画・台本・問い合わせにつながる流れまで考えます」 - 具体的に頼めること
企画、撮影、編集、YouTube、商品やサービスの申込み用ページ、SNS、広告、ホームページでの活用など - 安心して頼める理由
現場の様子、制作の進め方、実績、お客様の声、スタッフの専門性 - 会社の考え方や代表の言葉
なぜその支援をしているのかを、理念や会社の歴史と合わせて伝える - 見た後の案内
相談、資料請求、事例の確認、問い合わせなど
会社の歴史は、すべてを詳しく話す必要はありません。
今の強みや、お客様への約束につながる出来事を選ぶと、意味が伝わりやすくなります。
失敗3:映像をきれいに仕上げても、次の行動を案内しない
映像が美しく、音楽もよく、会社の雰囲気も伝わっている。
それでも、問い合わせや応募につながらない動画があります。
理由の一つは、見た人が「次に何をすればいいのか」を分からないことです。
お店で商品を気に入っても、レジの場所が分からなければ、購入まで進みにくくなります。
動画にも、相談や予約に進める案内が必要です。
見た人が迷わず次の一歩を踏み出せる状態を作りましょう。
改善方法:見た後にしてほしいことを一つに絞りましょう
相談、資料請求、応募、予約などを一度に案内すると、どれを選べばよいか迷わせてしまいます。
動画の主な目的に合わせて、案内する行動を一つに絞りましょう。
- 新しい問い合わせを増やしたい場合
初回相談や問い合わせへ案内します。例:「課題の整理からご相談ください」 - 見積もり前の比較を助けたい場合
事例や支援内容へ案内します。例:「同業種の支援事例をご覧ください」 - 応募につなげたい場合
募集要項や応募ページへ案内します。例:「募集職種と社員インタビューはこちら」 - 来店や予約につなげたい場合
予約ページや地図へ案内します。例:「空き状況を確認して予約する」 - 営業の説明を助けたい場合
担当者への連絡や資料請求へ案内します。例:「導入の流れと費用の目安を確認する」
動画の最後に文字を出すだけでなく、掲載ページにも案内を用意してください。
動画のすぐ下に、目的に合ったボタン、問い合わせの受付、電話番号、関連事例などを置きます。
効果を確認するときも、再生数だけで判断しないことが大切です。
案内先がクリックされたか、問い合わせや資料請求、申込みにつながったかを見て、集客や売上へのつながりを確認しましょう。
動画からLINEや予約フォームへつなぐ設計は、動画から予約フォームへつなぐ導線設計で詳しく紹介しています。
失敗4:使う場所を決めずに、動画の長さを決める
会社紹介動画は、使う場所によって、必要な長さや内容が変わります。
ホームページで初めて会社を知る人と、商談前に詳しく調べる人では、知りたい情報の量が違うからです。
お店の前の看板には、何のお店かを短く書きます。
一方、店内で相談しているお客様には、商品の特徴や選び方を詳しく説明しますよね。
動画も同じです。
「何分の動画を作るか」より先に、「どこで、どんな人に見せるか」を決めましょう。
改善方法:使う場所に合わせて、長さと役割を決めましょう
次の時間は、動画の長さを考えるための目安です。
短くすれば必ずよいわけではありません。相手に必要な情報を、分かりやすく伝えられる長さを考えます。
- 公式ホームページのトップ:30秒〜90秒
初めて訪れた人に、何の会社で、誰に何を提供しているかを伝えます。 - サービス紹介ページ:1分〜3分
比較している人に、強み、事例、依頼の流れを伝え、不安を減らします。 - 商談前のメール・提案資料:2分〜5分
関心のある人に、対応できる範囲や担当者を紹介し、安心して話せる状態を作ります。 - 採用ページ・説明会:2分〜5分
応募を考えている人に、仕事、働く人、職場の雰囲気、会社の考え方を伝えます。 - YouTube:3分〜10分以上も可
検索や情報収集をしている人に、困りごとの解決方法や専門性を伝えます。継続して見てもらうきっかけにもなります。 - SNS・広告:15秒〜60秒
まだ関心が低い人に、気になる話題や悩みを伝え、詳しい動画を見るきっかけを作ります。
最初から一本の動画に、すべての役割を持たせる必要はありません。
中心となる本編と、使う場所に合わせた短い版を一緒に考えると、同じ撮影を複数の場面で活かしやすくなります。
SNSやショート動画で使う場合の導線は、ショート動画の集客導線の作り方もご覧ください。

失敗5:一本の動画を、一か所で使って終わる
会社紹介動画をホームページに載せて、そのままにしていませんか?
撮影した映像には、営業や採用、SNSなどでも使える内容が含まれています。
代表の言葉、社員の働く姿、接客の様子、商品や設備。
こうした素材を本編だけで使い切るのは、用意した会社案内を一人に渡して終えるようなものです。
一度の撮影を、複数の場面で使えるように考えると、制作費を集客や営業に活かしやすくなります。
改善方法:撮影前に、必要な動画や素材をまとめましょう
制作会社と相談するときは、「完成動画を一本ください」だけで終わらせないことが大切です。
本編以外に何を作り、どこで使いたいかも伝えましょう。
一回の撮影から展開する例には、次のようなものがあります。
必要な本数や内容は、撮影前に整理してください。
- 会社紹介の本編:2〜3分
- トップページ用の短縮版:30〜60秒
- サービス別の紹介動画:30〜90秒を3本
- 代表メッセージ:30〜60秒
- 社員や現場を紹介する縦型動画:15〜45秒を5〜10本
- お客様のよくある質問への回答動画:30〜90秒を3本
- 採用向けの仕事紹介や社員インタビュー動画
- YouTube、SNS、広告で使う短い動画
- 営業資料や提案書に組み込む説明動画
本編を作る費用に加えて、短い版への編集や、投稿・広告に使う費用と手間も考えておきましょう。
小規模な事業ほど、限られた予算や人手で使い続けられる形にしておくことが大切です。
会社PR動画の制作を一から進めたい方は、会社PR動画制作の完全ガイドもあわせてどうぞ。
失敗6:「丁寧です」「高品質です」と言うだけで終わる
「品質にこだわっています」「丁寧に対応します」「お客様第一です」。
大切な姿勢ですが、その言葉だけでは、初めて見る人は判断しにくいものです。
飲食店でも、「おいしいです」という説明に加えて、調理の様子や実際に食べた人の感想があると、選ぶ材料になります。
会社紹介動画でも、信頼してもらえる理由を、具体的に見せることが必要です。
- 実際の作業やサービス提供の様子
- 対応前と対応後の変化
- お客様の声、口コミ、インタビュー
- 支援や制作が進む順番
- 実績数、継続年数、専門資格などの事実
- スタッフの知識や判断が伝わる場面
- 代表や社員が、お客様の困りごとをどう考えているか
特に、企業向けの支援やコンサルティングなどは、買う前に中身を確認しにくいサービスです。
「どんな人が、どんな手順で進めるのか」を見せると、依頼後の様子を想像しやすくなります。
改善方法:信頼につながる材料を、最低3種類選びましょう
自社で撮影できるもの、紹介できるものから選んでください。
次の5種類を参考にすると、整理しやすくなります。
- 現場の様子
製造、建設、飲食、宿泊、制作、医療・美容などに向いています。作業、接客、設備、工程、品質確認の様子を見せます。 - お客様の声
企業向けの支援、士業、コンサルティング、制作、店舗などで使えます。依頼前の悩み、選んだ理由、利用後の変化を紹介します。 - 具体的な事例
幅広い業種で使えます。「どんな課題があり、どう対応し、どんな結果や学びがあったか」を伝えます。 - 担当者やスタッフ
採用、専門サービス、地域の事業などに向いています。人柄、説明の分かりやすさ、仕事への考え方を見せます。 - 数字や確認できる事実
他社と比較されやすいサービスで役立ちます。実績、対応件数、継続率、対応地域、制作工程などを紹介します。
数字を出す場合は、根拠を確認できる事実だけを使いましょう。
実績を大きく見せたり、根拠が曖昧な「No.1」を使ったりすると、かえって信頼を損ねてしまいます。
お客様の声や社員の話を撮るときのコツは、インタビュー動画の活用ガイドにまとめています。
失敗7:完成後に、どこで使うかを考え始める
動画が完成してから「さて、どこに載せようか」と考えると、ホームページやYouTubeに置いたままになりがちです。
動画の効果は、公開直後の再生数だけでは決まりません。
会社案内のパンフレットも、棚に置くだけでは十分に働きません。
営業担当が商談で渡したり、説明会で使ったりすることで、相手に届けられます。
動画も、誰が、いつ、どこで使うかを決めることが大切です。
完成後の使い方まで含めて、制作前に計画しましょう。
改善方法:公開後90日間の使い方を決めましょう
まずは、公開後90日間を目安に計画してください。
使う場所、担当者、確認する結果を整理します。
- 公式ホームページ
トップ、会社案内、サービス、採用ページに載せます。動画を見た人の割合、ページにいた時間、問い合わせにつながった割合を確認します。 - 営業
初回商談前のメール、提案資料、見積もり送付時に添えます。見た後の返信、商談に進んだ割合、受注につながった割合を確認します。 - YouTube
本編、事例、よくある質問への回答、短い版を公開していきます。検索から見に来た人、どこまで見られたか、ホームページへ進んだ人を確認します。 - SNS
本編から切り出した短い動画を、定期的に投稿します。保存、共有、プロフィールを見に来た人を確認します。 - 採用
採用ページ、求人サイト、説明会、応募を呼びかけるメッセージで使います。応募数、説明会への参加、面接を辞退した人の割合を確認します。 - 広告
お客様の悩みを伝える短い動画から、詳しい説明ページへ案内します。一回見てもらうためにかかった費用、クリックされた割合、問い合わせや資料請求の件数を確認します。 - 展示会・イベント
音がなくても伝わる字幕付き動画を、繰り返し流します。名刺交換の件数、会話が始まった件数、その後の商談を確認します。
字幕があると、音を出せない場所でも内容を伝えられます。
話の内容を確認しやすくなり、音声を聞き取りにくい人にも情報を届けやすくなります。

撮影前に確認したいチェックリスト
撮影を決める前に、次の項目を確認してください。
難しい専門知識がなくても、動画の目的と使い方を整理するために役立ちます。
- この動画を最初に見る人は、誰ですか?
- その人は、どんな不安や疑問を持っていますか?
- 見た後にしてほしい行動は、一つに絞れていますか?
- 動画を主に載せる場所は決まっていますか?
- 載せる場所に合う長さ、話の順番、縦型・横型を決めていますか?
- 会社の説明より先に、お客様の悩みと、どんな支援ができるかを伝えていますか?
- 事例、現場、お客様の声、スタッフなど、信頼につながる材料を3種類以上入れる予定ですか?
- 本編以外に、短い版、用途別の動画、写真素材などを用意する計画はありますか?
- 動画を見た後、問い合わせ、事例の確認、応募、予約へ迷わず進めますか?
- 完成後90日間に、誰が、どこで使うか決まっていますか?
- 再生数に加えて、問い合わせ、商談、応募など、確認する結果を決めていますか?
答えが決まっていない項目は、撮影前の打ち合わせで相談しましょう。
このチェックリストを、社内や制作会社と一緒に確認することから始めてください。
まとめ:会社紹介動画は、完成後も働く営業担当です
会社紹介動画の成果は、撮影機材や編集技術だけで決まるものではありません。
見た人が「自分の悩みを分かってくれる」「依頼後の様子を想像できる」「次に何をすればよいか分かる」と感じられることが大切です。
そのために、撮影前から次の7つを意識しましょう。
- 撮影日より先に、見せる相手と目的を決める
- 会社の歴史より先に、お客様の悩みと支援できることを伝える
- きれいな映像で終わらせず、相談や応募などの次の行動を案内する
- 使う場所に合わせて、長さ、内容、縦型・横型を考える
- 一本の動画や撮影素材を、営業・採用・SNS・ホームページで活用する
- 現場、事例、お客様の声で、信頼できる理由を見せる
- 公開後の使い方まで、制作前に決めておく
会社紹介動画は、完成してから、営業担当として働き始めます。
問い合わせ、商談、採用などの場面で繰り返し使い、制作にかけた費用を成果につなげていきましょう。
撮影前に、このチェックリストを保存しておいてください。
社内の打ち合わせや、動画制作会社への相談で使うと、何を決めればよいか整理しやすくなります。
