「AIで下書きはすぐできるようになった。でも、確認や修正に思った以上に時間がかかる」。そんな状態では、本当に費用を減らせているのか、判断しにくいですよね。
飲食店でも、食材が安く仕入れられたからといって、料理全体の費用が安くなるとは限りません。下ごしらえに時間がかかれば、その手間も考える必要があります。AIを使った記事制作も同じです。
この記事では、記事を作る費用が下がったかと、集客につながったかを分けて確認する方法を紹介します。ツール代だけでなく、人が確認する時間も含めて考えていきましょう。
AI記事の費用には、人が確認する時間も含める

AI記事にかかった費用を知るには、ツール代と外注費に加え、社内の作業時間も計算に入れます。この記事では、次の式で整理します。
記事制作費=その記事に割り当てるツール代+外注費+社内作業時間×社内で決めた1時間当たりの金額
「社内で決めた1時間当たりの金額」は、仕事の進め方を比較するための数字です。経営者自身が作業する場合も、時間をゼロ円として扱わずに記録します。
下書き以外の作業も数えましょう
- 記事のテーマを決める時間
- 公式情報などを調べる時間
- AIへ指示を出す時間
- 数字や説明が正しいか確認する時間
- 自社の情報や事例を追加する時間
- WordPressへ入稿する時間
- 公開後に修正・更新する時間
Googleも、AIが出した内容には不正確な情報が含まれる可能性があるため、公開前に人が事実を確認することを重視しています。詳しくは、Googleの生成AIによるコンテンツに関する案内をご覧ください。
確認を省いた状態で「安く作れた」と判断すると、必要な仕事が費用に含まれなくなります。公開できる状態に仕上げるまでの手間を数えましょう。
AI導入前後は、同じくらい難しい記事で比較する

AIの効果を見るときは、導入前後で記事の難しさをそろえます。簡単な店舗案内と、制度や専門知識を詳しく調べる記事では、必要な時間が違うからです。
1記事5,000円減ったと考えられる試算例
例えば、次の条件で比べてみます。すべて架空の数字で、一般的な削減効果を示すものではありません。
- AI導入前の作業時間:1記事6時間
- AI導入後の作業時間:1記事4時間
- 社内作業を評価する金額:1時間3,000円
- AI導入後、その記事に割り当てるツール代:1,000円
この条件では、導入前は6時間×3,000円で1万8,000円です。導入後は4時間×3,000円にツール代1,000円を加えて、1万3,000円になります。差額は5,000円です。
一方、確認や修正が長引き、導入後も合計6時間かかったとします。その場合は1万9,000円となり、この条件ではツール代の分だけ高くなります。
ただし、費用だけですべてを判断する必要はありません。内容が充実した、ミスが減ったといった変化があれば、費用とは別の欄に残しておきます。
「安く作れた」と「集客できた」を別々に確認する
記事を安く作れても、必要なお客様に読まれていなければ、集客の課題は残ります。反対に、すぐ受注しなくても、営業時の説明に使われている記事には、その役割があります。
次の3つに分けると、何を見直すべきか整理しやすくなります。
1.記事づくりが楽になったか
制作費、作業時間、修正の差し戻し回数を記録します。作業の無駄や負担が減ったかを確認するための項目です。
2.想定していた人に読まれたか
検索から記事へ来た人数や、記事からサービス案内へ進んだ状況を確認します。記事の閲覧回数が増えても、自社のサービスを利用しない人ばかりなら、内容の見直しが必要かもしれません。
3.相談や受注に役立ったか
自社が対応できる問い合わせ、商談、受注、受注によって得られた粗利益を記録します。粗利益とは、売上から商品やサービスの提供に直接かかる費用を差し引いた金額です。
記事の役割を先に決め、その役割に合う成果を確認しましょう。商談前の説明に使う記事なら、営業担当者が実際に使ったかどうかも記録に残せます。
使った費用を回収できたかは、売上だけで判断しない

費用を回収できたか考えるときは、売上だけでなく粗利益を使います。商品やサービスを提供する費用まで、手元に残るお金として数えないためです。
10万円の制作費と15万円の粗利益で考える例
複数の記事の制作・更新に10万円を使い、その記事がきっかけと合理的に判断できる受注の粗利益が15万円だったとします。これは架空の試算です。
この記事で使う管理上の計算は、次のとおりです。ROIは、使った費用に対して、どれくらい利益が上回ったかを見る指標です。
ROI=(15万円-10万円)÷10万円=50%
ただし、お客様が記事、SNS、紹介、営業担当者との面談などを経て契約した場合、すべてを記事だけの成果として扱うのは適切とは限りません。
まずは「何を見て相談したか」を残します
問い合わせフォームや商談で、相談のきっかけを確認しましょう。記事で初めて会社を知ったのか、もともと知っていて記事を読んで相談を決めたのかを分けて記録します。
記事経由の成果をどこまで確認できるかは、自社のアクセス確認の仕組みや営業記録によって変わります。把握できた範囲をもとに判断してください。
成果が少ないときは、記事を増やす前に中身を見直す
「AI記事なら何か月で費用を回収できる」と、一律の期限は決められません。公開直後は内容の正しさ、毎月は読まれ方、一定期間ごとには相談や受注への貢献というように、確認する対象を分けましょう。
反応が少ないときは、すぐに本数を増やす前に、次の順で点検します。
- 想定するお客様の疑問に答えているか
- 自社の経験や利用条件、具体例が入っているか
- 料金や対応できる範囲の説明が足りているか
- 記事からサービス案内へ自然に進めるか
- 同じ疑問に答える記事ばかり増やしていないか
Googleは、利用者に価値を加えず、大量のページを作る行為を問題として挙げています。詳しくは、Googleウェブ検索のスパムに関するポリシーをご確認ください。AIを使ったかどうかだけでなく、読者に役立つ内容になっているかが重要です。
こうした案内は、検索結果の上位表示や収益を保証するものではありません。安く量産できたことだけを、記事制作の成功としないようにしましょう。
まずは次の数本で、調査・確認・修正・公開までの時間を記録してください。自社の数字がわかれば、AIへ任せる仕事と、人が時間をかける仕事を見直しやすくなります。
