商品を購入してもらったあとや、サービスを利用してもらったあとに、「ありがとうございました」と書かれたサンクスカードを渡しているお店も多いでしょう。
もちろん、感謝を伝えるだけでも意味はあります。
ただ、サンクスカードや商品に同封する案内は、使い方を少し工夫することで、口コミ、紹介、再来店などにつながる大切な接点になります。
例えば、商品を買ってくれたお客様に、いきなり「口コミを書いてください」「友人を紹介してください」「LINEにも登録してください」と一度にお願いしたらどうでしょうか。
お客様からすると、少し負担に感じるかもしれません。
大切なのは、まず感謝を伝え、そのあとで「次にしてほしいこと」を一つだけ案内することです。
この記事では、個人事業主や店舗オーナーでも取り入れやすいように、サンクスカードの作り方、口コミや紹介につなげる方法、そのまま使える例文まで分かりやすく紹介します。
サンクスカードは単なるお礼状ではありません
サンクスカードというと、「ご購入ありがとうございました」と書いた小さなお礼状をイメージする方が多いかもしれません。
しかし、考え方としては、お客様との関係を次につなげるための「接客の続き」に近い存在です。
実店舗なら、会計が終わったあとに「ありがとうございました。また何かあればご相談ください」と声をかけます。
サンクスカードは、その接客を紙の上で行うようなものです。
売って終わりではなく、購入後・来店後にも安心してもらうことで、再来店や紹介につながる可能性が生まれます。
サンクスカード・同封物・アフターフォローカードの違い
どれもお客様に渡す紙ですが、役割は少しずつ違います。
サンクスカード
商品購入や来店への感謝を伝えるカードです。
お客様との関係づくりの入口として使います。
同封物
商品と一緒に入れるチラシや案内状などです。
次回購入、紹介、LINE登録など、具体的な行動を案内する役割があります。
アフターフォローカード
商品やサービスを利用したあとの不安を減らすための案内です。
例えば、商品の使い方、施術後の注意点、お手入れ方法、困ったときの問い合わせ先などを伝えます。
この3つをすべて1枚に詰め込むのではなく、目的に合わせて役割を分けると、お客様にも伝わりやすくなります。
1枚のカードにお願いを詰め込みすぎない
サンクスカードを作るときによくあるのが、限られたスペースに、できるだけ多くの案内を入れようとすることです。
例えば、
- Googleの口コミをお願いします
- 友人をご紹介ください
- 次回予約はこちら
- LINEに登録してください
- Instagramもフォローしてください
と一度に伝えるケースです。
お店で会計するときに、スタッフから5つのお願いを一度にされたら、どれをすればよいか迷ってしまいます。
紙でも同じです。
1回の接点で案内する行動は、基本的に1つに絞ることをおすすめします。
今回は口コミ、次回は紹介、別のタイミングでLINE登録というように、目的を分けたほうがお客様にも理解してもらいやすくなります。

目的によって渡すタイミングを変える
口コミ、紹介、再来店では、お客様に声をかけるタイミングが異なります。
何でも購入直後に案内すればよいわけではありません。
口コミをお願いする場合
サービスを利用して「良かった」と感じてもらえているタイミングが向いています。
例えば、美容室なら施術後、EC商品なら商品を使ってもらったあとなどです。
紹介をお願いする場合
一度利用しただけのお客様よりも、何度か利用して満足しているお客様のほうが、知人へ紹介しやすい場合があります。
そのため、リピート後など、満足度を確認できたタイミングが一つの考え方になります。
再来店を案内する場合
来店直後や商品を使い始めたタイミングで、次回利用について案内します。
例えば、「次回は〇週間後がおすすめです」「次はこちらのメニューもあります」といった形です。
LINE登録を案内する場合
会計時や商品への同封など、スマートフォンを使ってその場で登録しやすい場面で案内できます。
何をお願いするかだけではなく、いつお願いするかも重要です。
業種別のサンクスカード活用例
サンクスカードや同封物の使い方は、業種によって変わります。
美容室・サロン
施術後の会計時にカードを渡し、次回メニューやGoogleの口コミについて案内する方法があります。
ただし、1枚に何でも詰め込まず、そのカードで何を一番伝えたいのかを決めておきます。
飲食店
会計時にお礼のカードを渡し、次回来店時に使える案内を入れる方法があります。
一度来店したお客様に「また来よう」と思ってもらうきっかけとして使えます。
ネットショップ・物販
商品を発送するときに、使い方の案内やレビューのお願いを同封します。
特に初めて使う商品では、使用方法が分からないことがお客様の不安につながる場合があります。
先に使い方を伝えておくことで、不安を減らす役割もあります。
整体院・クリニック
施術後の注意点や経過の確認、次回予約について案内します。
来院後に「このあとどうすればいいのだろう」と迷わせないための案内として使えます。
士業
初回相談後に、お礼と相談内容の要点、次の手続きを案内する方法があります。
相談者にとって次に何をすればよいのかが分かりやすくなります。
リフォーム会社
工事完了後に、アフターケアの案内や紹介カードを渡す方法があります。
サービスが終わったあとも安心できる会社だと感じてもらうことは、その後の紹介にもつながる大切な接点になります。
サンクスカードに入れたい5つの基本要素
何を書けばよいか迷ったら、まず次の内容から考えてみてください。
- お礼の言葉
- 自社や商品を選んでもらったことへの一言
- 使い方やアフターケアの案内
- 困ったときの問い合わせ先
- 次にしてほしい行動を1つ
考え方としては、
感謝する
↓
選んでもらった商品の良さを改めて伝える
↓
不安があれば解消する
↓
次の行動を案内する
という流れです。
いきなり「口コミをお願いします」と書くのではなく、まずお客様への感謝を伝えることが基本になります。

口コミは強くお願いしすぎない
お客様の口コミは、これから商品を買う人や来店する人にとって参考になる情報です。
そのため、口コミを集めたいと考える事業者は多いでしょう。
ただし、「星5を付けてください」「良い口コミを書いてください」と内容まで指定するようなお願いは避けます。
また、Googleでは、クチコミの投稿・変更・削除と引き換えに無料や割引で商品・サービスを提供する行為は禁止されています。
口コミをお願いするときは、
- よろしければ
- もしお時間があれば
- ご感想をお聞かせいただければ嬉しいです
など、任意であることが伝わる表現にします。
口コミは「書いてもらう」のではなく、「自由な感想を聞かせてもらう」という考え方が大切です。
紹介してもらいやすい仕組みを作る
「お知り合いをご紹介ください」と書くだけでは、お客様は「誰に紹介すればいいのだろう」と迷うことがあります。
紹介をお願いするときは、次の内容を分かりやすくします。
- どんな人に紹介してほしいのか
- どんな悩みを持つ人に役立つサービスなのか
- 紹介した人にどんなメリットがあるのか
- 紹介された人にどんなメリットがあるのか
- どのように紹介すればよいのか
例えば整体院なら、「腰痛でお悩みのご家族やご友人がいらっしゃいましたら」と書くと、紹介する相手をイメージしやすくなります。
紹介方法も、「このカードを渡してください」「紹介コードをお伝えください」など、具体的にします。
紹介する人に考えさせすぎないことがポイントです。
紹介特典を付ける場合の注意点
紹介キャンペーンでは、「紹介してくれた方に〇〇プレゼント」といった特典を付けることがあります。
ただし、特典の内容や金額によっては、景品表示法が関係する場合があります。
一般的な考え方として、取引価額が1,000円未満の場合は200円程度、1,000円以上の場合は取引価額の20%程度が上限の目安として扱われることがあります。
ただし、この基準がすべての紹介キャンペーンにそのまま当てはまるわけではありません。
実際に紹介特典の金額を決める場合は、内容に応じて専門家へ確認することをおすすめします。

QRコードを使えば口コミやLINEへ案内しやすい
サンクスカードや同封物にQRコードを載せれば、お客様がスマートフォンからすぐに次のページへ移動できます。
例えば、
- Googleの口コミ投稿ページ
- LINE公式アカウント
- 紹介用フォーム
などへ案内できます。
紙に長いURLを書いて「こちらを入力してください」とお願いするより、QRコードを読み込んでもらうほうがお客様の手間を減らせます。
ただし、QRコードを載せるだけではなく、「口コミを書く」「LINEで問い合わせる」など、読み込んだ先で何ができるのかも一緒に書いておきましょう。
そのまま使えるサンクスカード例文
ここからは、目的別に使える文章例を紹介します。
店名や商品名などを自社の内容に置き換えて使ってください。
美容室で口コミをお願いする場合
本日はご来店ありがとうございました。
〇〇様に似合うスタイルをご提案できていましたら嬉しいです。
もしよろしければ、今日のご感想をGoogleのクチコミにお聞かせいただけますと、今後のサロン運営の参考にさせていただきます。
(QRコード)
ネットショップでレビューをお願いする場合
このたびは〇〇をお選びいただき、ありがとうございます。
商品の使い方は、同封の案内をご確認ください。
実際に使ってみたご感想を、よろしければレビューにてお聞かせください。
店舗で口コミをお願いする場合
いつもご利用いただき、ありがとうございます。
お客様からいただくご感想は、これから来店される方にとっても参考になります。
お時間があるときに、簡単な一言でもお聞かせいただけますと幸いです。
紹介キャンペーンを案内する場合
〇〇をご利用のお客様へ
ご家族やご友人で、〇〇にお困りの方はいらっしゃいませんか。
ご紹介いただいた方・紹介された方の双方に〇〇をご用意しています。
詳しい紹介方法、条件、有効期限をご確認のうえご利用ください。
士業の初回相談後
本日はご相談いただき、ありがとうございました。
本日お話しした内容の要点を同封しております。
次のステップとして〇〇をご検討の際は、お気軽にご連絡ください。
売り込みの文章を書くよりも、お客様の気持ちに沿った自然な案内にすることが大切です。
印刷・デザイン前に確認したいポイント
カードの文章が完成したら、印刷する前に次のポイントを確認します。
- カードの目的を1つに絞っているか
- 最初にお礼を伝えているか
- 商品やサービスの良さを自然に再確認できる内容になっているか
- お願いの言葉が強制的になっていないか
- QRコードを問題なく読み取れるか
- 特典がある場合は条件や有効期限を書いているか
- 商品への入れ忘れを防ぐ仕組みがあるか
特にネットショップなどで毎日多くの商品を発送する場合は、カードを入れる作業を担当者の記憶だけに頼らないことも大切です。
良いカードを作るだけでなく、毎回きちんとお客様へ届けられる運用まで考えることで施策として続けやすくなります。
サンクスカードの効果も確認する
サンクスカードを作ったら、「何となく良さそう」で終わらせず、できる範囲で結果も確認しましょう。
例えば、
- 専用QRコードが何回読み込まれたか
- 口コミ投稿ページへ何人進んだか
- 紹介コードが何回使われたか
- 紹介カードを持って何人来店したか
- LINE登録が何件増えたか
などを確認します。
Webの数字を見ることが難しい場合は、来店時に「どなたかのご紹介ですか?」と聞くだけでも構いません。
結果を確認すると、どの案内がお客様に伝わっているのかが分かり、次の改善につなげられます。
口コミや紹介を増やすときに注意すること
口コミや紹介は、お店や会社にとって大切な集客方法の一つです。
ただし、増やすことだけを目的にしてルールを無視しないよう注意が必要です。
Googleでは、クチコミの内容を指定したり、無料の商品や割引などと引き換えにクチコミを依頼したりすることは禁止されています。
また、紹介キャンペーンで特典を付ける場合は、景品表示法の考え方を確認する必要があります。
さらに、医療や士業など、業種によっては広告に関する独自のルールやガイドラインが関係することもあります。
「口コミを書いてもらえれば何でもよい」という考え方ではなく、お客様が自由な意思で行動できる形にすることが大切です。
内容によって判断が異なる場合があるため、不安がある場合は専門家へ確認することをおすすめします。
まとめ|まずは1つの目的から始める
サンクスカードや同封物は、単に「ありがとうございました」と伝えるためだけのものではありません。
商品を購入したあと、サービスを利用したあとに、お客様との関係を続けるための大切な接点です。
作るときは、
- 最初に感謝を伝える
- 商品やサービスの価値を改めて伝える
- 使い方などの不安を減らす
- 次にしてほしい行動を1つだけ案内する
という順番を意識してみてください。
口コミ、紹介、LINE登録、次回予約を一度にお願いする必要はありません。
まずは「今回のカードで何をしてほしいのか」を1つ決めるところから始めましょう。
お客様にとって分かりやすく、負担の少ない案内にすることで、サンクスカードを再来店や口コミ、紹介につながる接点として活用しやすくなります。
よくある質問
口コミをお願いするとGoogleのルール違反になりますか?
口コミをお願いすること自体が禁止されているわけではありません。
ただし、特典と引き換えに口コミを依頼したり、「星5を付けてください」など投稿内容を指定したりすることは避ける必要があります。
口コミは任意であることを伝え、内容はお客様自身に自由に書いてもらいます。
サンクスカードは手書きのほうがいいですか?
手書きでも印刷でも構いません。
件数が少なければ手書きもできますが、毎月何百件も発送する場合は大きな負担になります。
運用しやすい形を選び、必要に応じて印刷したカードに短い一言だけ手書きで加える方法もあります。
紹介特典の金額に決まりはありますか?
紹介キャンペーンの内容によっては、景品表示法上の上限が関係する場合があります。
すべてのキャンペーンに同じ基準が当てはまるとは限らないため、具体的な金額を決める場合は専門家に確認することをおすすめします。
同封物は毎回同じ内容でいいですか?
目的に合わせて変更することをおすすめします。
口コミをお願いするカードと、再来店を案内するカードでは役割が違います。
1枚に何でも詰め込まず、目的ごとに内容を変えると分かりやすくなります。
口コミや紹介がなかなか増えない場合はどうすればいいですか?
まずは、お願いするタイミングを見直してみてください。
まだ商品を使っていない人にレビューをお願いしたり、初回来店ですぐ紹介をお願いしたりしても、行動しにくい場合があります。
あわせて、QRコードなどですぐ行動できるようになっているか、お願いを1つに絞っているかも確認してみましょう。
「お願いの内容」「タイミング」「行動のしやすさ」の3つを見直すことが改善の第一歩です。
